参考レベルは緊急時または現存被ばく状況で用いられる線量のことで、防護対策を行うために状況に応じて目安となる値が設定されます。(
放射線防護体系:防護の基本原則を参照)
ICRPでは1~20 mSv、20~100 mSvの2つのバンドを定義しています。
- 20~100 mSvでは、原発事故のような制御できない線源が飛散している状態で、被ばく線量を低減するための対策が困難な状況に適用されます。つまりは、緊急時被ばく状況から非常事態が収束した現存被ばく状況にかけて用います。
- 非常事態の収束後は、より低い線量バンドである1~20 mSvを目指します。具体的には、設定した参考レベルを超える恐れがある集団の被ばくを優先的に低減する努力を行い、個人線量の分布がより低い線量にシフトしたことを確認した上で、参考レベルをより低い線量に再設定します。
上記の活動を繰り返していき、線量限度である年間1 mSvが適応できる状況、つまり計画被ばく状況への回復を図ります。